二子玉川にオフィスを構えるデザイン・建築設計事務所「グラディエ」(世田谷区玉川2)が運営する地域デザインブランド「フタコラボ(futacolab)」が5月9日、「物語6 焼き菓子HORO HORO ARTLINE」の販売を始めた。
店頭販売をする磯村さんファミリー(5月11日、駒沢オリンピック公園)
「地域で創り、地域に還(かえ)す」を理念にオリジナル商品を開発するプロジェクトとして昨年誕生した同ブランド。ブランドロゴを制作しプロジェクトの全体運営とブランディングを統括するグラディエ社長の磯村歩さんは北欧福祉の研究でデンマークに留学経験があり、これまでにもユニバーサルデザインやサスティナブルデザイン、街づくりを視野に入れたモビリティーの地域活用に関連した研究や事業を数多く手掛けている。
「地域に関連したことをしたい」と考えていた磯村さん。「地域資産を活用し、地域の福祉作業所やクリエーターと一緒に、地域の方々に支持される『地産地消』のものづくりをしていきたい。こうした活動が小さくとも地域の物語となり、やがて街の魅力につながる」と、二子玉川エリアの福祉作業所、パティシエ、デザイナーらと共に同ブランドを立ち上げ菓子やコゼーセットを誕生させた。
新商品は、「口の中に入れた瞬間に『ほろり』と広がる軽快な食感」にこだわった焼き菓子。「Patisserie & Cafe Sonner」(世田谷区三軒茶屋)の石橋鈴香さんのオリジナルレシピを基に、きなこ、抹茶、いちごの3種を開発。社会就労センター「パイ焼き窯」(等々力)で製造、梱包(こんぽう)、発送までを担う。パッケージは、世田谷福祉作業所の障がい者が飲料用紙パックを再利用して製造した手すきのカードとイラストをデザイナーの片山典子さんとNIZYU KANOさんがコーディネートした。カードのイラストは全12種類あり、売り上げの2パーセントが「アーティスト育成支援金」として作家へ支払われる仕組み。
磯村さんは、同商品を購入することで「地域の仕事を作り出し、地域を生き生きとさせることができる。販売店も募集しているので、ぜひこの取り組みを支援してほしい」と呼び掛ける。
価格は3袋(1袋9粒入り)セットで本体価格1,600円。