国立成育医療研究センターの敷地内にある小児患者家族滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがや」(世田谷区大蔵2、TEL 03-5494-5534)は現在、同施設の増室と修繕工事費用3,000万円の寄付金を募集している。
国立成育医療研究センター内の案内カウンター前の募金マシン(同ハウスマネジャー峯田洋一さん)
ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン(東京都新宿区、以下DMHCJ)が運営する、小児患者の付き添い家族が低料金で宿泊・滞在できる同施設。コンセプトに「Stay away from home-わが家のようにくつろげる第二の家」を掲げ、困難な病気を患う子どもの家族が病院の近くで安心してくつろげる場所を提供することで、患者家族の負担を社会全体で支援する仕組みづくりに寄与する。「日本の社会にこれまでなかった発想」の事業で、 「一般市民が病院や病気の人を支えるという新しい医療文化」を提唱し活動を続けている。
1974年に米国フィラデルフィア新聞社が提供した家屋を改造して誕生した同施設は2014年3月現在、国内9カ所を含む世界34カ国335カ所に開設されている。「せたがやハウス」は2001年12月1日に国立成育医療研究センターの敷地内に設立され、国内第1号。
同ハウスはオープン以来、170人前後の登録ボランティアスタッフの協力を得て運営されており、これまでの利用家族数は約8500(延べ)に上る。一方で、490床ある同研究センターに対し21室のベッドルームという規模により、常時満室の状態が続く。2013年は申込者全体の約17パーセント(175家族)を「やむなくお断りするような状況で、ハウスとしても大変心苦しい」(同ハウスマネジャー峯田洋一さん)。
そこで、「今後も少しでも多くのご家族がハウスを利用し安心して治療を受けるために」ベッドルーム2室の増室と、老朽化した建物内とエアコンなどの設備メンテナンスを合わせて修繕工事を行うための募金活動を展開することを決めた。7月9日、同研究センター総長の五十嵐隆さん、同区長の保坂展人さん、同区医師会長の古畑正さんらを「世話人」に迎え、「増室および修繕工事募金支援の会」をキックオフ。各方面への支援の輪を呼び掛ける。
目標額は3,000万円で来年5月に増室工事着工を目指す。9月現在で総額の2割に当たる約600万円が寄せられている。「今のところ法人による寄付を多く頂いている。これを機に個人の方にも当施設の存在とコンセプトなどを広く知っていただければ」と峯田さん。同研究センター内の案内カウンター前には、子どもも楽しみながら募金することができる「くるくるコイン」マシンを設置中。同ハウスでは10月19日に「オープンハウス」イベントを開くほか、「地域のイベントなどで募金を呼び掛ける機会があれば。ぜひ声掛けください」とも。