世田谷・岡本の「松本記念音楽迎賓館」(世田谷区岡本2、TEL03-3709-5951)で9月25日、「みんなで楽しむ動物コンサート~聴こう、歌おう、ひとつになって~」が開かれる。
同館は、パイオニアの創業者で現・「公益財団法人音楽鑑賞振興財団」を創設した松本望・千代夫妻の居宅として1973(昭和48)年に建築された。2000年に同夫妻の遺志を受けて同財団に寄贈された後、3年ほどかけて音楽ホールへ改築。パイプオルガン、チェンバロ、ピアノ、チェレスタなどがそろう。
パイオニアの創業30周年記念事業として1967(昭和42)年に発足された同財団(前パイオニア音楽鑑賞教育振興会)」は、「広く音楽鑑賞活動の普及に努めるとともに、学校における音楽鑑賞に関する研究や助成を行い、より多くの方が音楽の素晴らしさを味わう」ことを目的に活動してきた。
「これまで学校教育における効果的な鑑賞指導法の開発や研究、支援を進めてきた」と横田堯(たかし)館長。今回は「学校教育という枠を超えて、純粋に音楽を楽しむという機会をつくりたかった」と企画の意図を明かす。
初回となる今回は、同館お膝元の二子玉川エリアで、「手作り感あふれる音楽会」として地域の小学生をメインターゲットに実施する。内容は軽井沢大賀ホールで開催されている「親子で楽しむ動物コンサート」をベースに、「ぞうさん」(1949年)、「おつかいありさん」(1950年)、「やぎさんゆうびん」(1952年)などを作曲した團伊玖磨(だんいくま)の童謡を、童謡歌手の雨宮知子さんとピアニストの堀家徳子さんの伴奏で披露するほか、参加者全員で「手のひらを太陽に」などを合唱する。
約1000坪の敷地内に3つの音楽ホールと多目的ホール、周囲約150メートルの散歩道がある庭園、京都旧西園寺公別邸から移築を受けた茶室含む3つの茶室を有する同館。「身近にある、これだけ恵まれた環境の音楽館を堪能し、『習う』のではない音楽の楽しさを子どもたちに知ってもらえたら」と横田館長。
13時30分開場、14時開演。入場料は大人=3,000円、小学生以下=1,500円。定員50人(先着順)。チケットの申し込みは同館で受け付ける。