岡本「松本記念音楽迎賓館」で春の庭園開放-チェンバロ演奏会も

庭園内の旧西園寺公別邸から移築された茶室

庭園内の旧西園寺公別邸から移築された茶室

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 世田谷・岡本の「松本記念音楽迎賓館」(世田谷区岡本2、TEL 03-3709-5951)で3月26日~28日、「春の庭園開放」が行われる。

隠れキリシタンの大名が所持していたという「キリシタン灯籠」・十字架部分が埋まっている

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 パイオニアの創業者で、音楽鑑賞振興財団を創設した松本望・千代夫妻の居宅として1973(昭和48)年に建築された同館。2000年に同財団へ寄贈された後、パイプオルガン、チェンバロ(ハープシコード、鍵盤型發弦楽器)、チェレスタ(金属板を打って音を出す鍵盤楽器)など、国内でも希少な楽器をそろえ利用を一般に開放。季節ごとにさまざまな演奏会やイベントを開催している。

 今回、無料で一般開放される庭園は約1000坪の同館敷地内にあり、高さ10~20メートルの急傾斜地「国分寺崖線」上に作られたもの。周囲約150メートルの散歩道では、ソメイヨシノやしだれ梅、世田谷区の保存樹木に指定されているクロマツなど森林散策を楽しむことができる。

 期間中、京都の旧西園寺公別邸から移築を受けた茶室含む園内の3つの茶室では、抹茶のサービスも(有料)。ほかに、隠れキリシタンの大名が所持していたという「キリシタン灯籠」や、創業者の松本氏自ら陶器で制作した灯籠型「ガーデンスピーカー」、いかだの上に立てられた「船大工が作ったあずまや」などがあり、それぞれの逸話や仕組みを同財団スタッフが案内する。

 館内では「春の演奏会」を開く。チェンバロ、歌(ソプラノ)、朗読による「音楽物語」を女性3人で構成する「風流楽(ふるーら)」は28日、「春のコンサート・光の春-音楽と綴(つづ)る日本の詩」を開催。同演奏会への出演は4回目。メンバーの千曲風羽さんは「昨年は東日本大震災直後で開催が危ぶまれたが、音楽の持つ力をここから届けよう、という思いで演奏した」と振り返る。今年は「新しい春を迎える」をテーマに演出し、オルガネッタ(手回しオルガン)の演奏家「風琴庵」さんをゲストに迎える。小学生以上の子どもの参加も歓迎するという。

 そのほか、一弦琴奏者「楽風」さんによる「一弦琴演奏とことたまライブ」(26日)、太田大郎さんによる「桜見の小さなコンサート」(27日)も予定。

 期間中の開館時間は10時~16時。入園無料。問い合わせと演奏会チケットの申し込みについては同館まで。

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