世田谷・深沢の都立園芸高校(世田谷区深沢5、TEL 03-3705-2154)で、1915(大正4)年に当時のタフト米国大統領から贈られたハナミズキが今年も開花した。
同校は1908(明治41)年に日本初の園芸専門の教育機関として設立。園芸、食品、動物の3科を設置し、10万7769平方メートルの校地に約320種の樹木、庭園圃(ほ)場、果樹園、農場などを備えている。
校内のイチョウ並木を過ぎた場所にある高さおよそ8メートルの1本のハナミズキは、希少な「日米親善交流の証」。1912(大正元)年、当時の尾崎行雄東京市長が桜の苗木6040本を米国へ寄贈。1915(大正4)年にその返礼としてタフト米国大統領から届けられた40本のハナミズキ(白)の苗木は、日比谷公園、小石川植物園など16カ所に分植された。そのうちの2本が同校に植樹されたもの。現在、返礼の「原木」の多くは枯れているか行方が不明といわれている。
千谷順一郎校長は、同校への植樹の経緯は同校の初代校長を務めた熊谷八十三(やそぞう)技師が、米国へ贈った「病害虫の発生の無い」桜の苗木作りに大きな功績を残したことが理由の一つと「推測される」と話す。同校に贈られた2本のハナミズキのうち1本は1996年ごろに強風で倒れ枯れてしまった。この「ハナミズキ原木」は少人数であれば見学可能。同校事務室で受け付けが必要。
同校は5月12日に同校保護者と近隣住民向けに学校公開を開催する。約200種600株のバラが栽培されているバラ園も開放し、講堂では「バラ園芸フォーラム」を開催する。「生徒たちが授業で手入れしたバラ。生徒も一緒に咲いている」と千谷校長。
学校公開は9時30分から。公開するのは授業、バラ園、農場。生産品販売も予定。バラ園芸フォーラムは14時30分~16時(受け付けは14時~)。事前申し込みが必要(5月7日締め切り、FAX 03-3705-1808)。