二子玉川ライズ(世田谷区玉川2)オフィス棟12階にある「スルガ銀行二子玉川支店/d-labo」(TEL 03-3707-7218)で現在、静岡県在住の小学生兄妹が描いた作品展「アーブル美術館大贋作(がんさく)展」が開かれている。
静岡県沼津市に本店を置き、静岡県と神奈川県を主な営業エリアとして展開する同行は、2007年3月にミッドタウン支店(港区)内に初のコミュニケーションスペース「d-labo(夢研究所)」を創設。今年2月、二子玉川にも開設した。
開所時に「銀行らしくない場づくりを目指す。スタッフ自身も当店の魅力的なコンテンツの一つになるべく、常に感度を高くし、二子玉川で暮らす方・働く方皆さまと一緒にさまざまなアイデアを頂きながらいろいろなものを生み出したい」と中川孝勇支店長が話した通り、これまでに「子育てママの朝ヨガ教室」、d-labo教室「茶農家がおもてなしする農園茶会」や「わかりやすいスペシャリティコーヒー」などを開いたほか、二子玉川商店街のアートイベント「青空アート&マート」にワークショップを出展するなど積極的に地域での活動を展開してきた。
今回は静岡県在住の小学生の兄妹と「ルーブル美術館に憧れる」母3人によるアートユニット「アーブル美術館」を招き、兄妹2人が世界の名画を模写した約120点の作品を、元となる作品(書籍など)とともに同所内のさまざまな場所へ展示している。
d-labo二子玉川スタッフの島田一宏さんが今年6月、「D&DEPARTMENT SHIZUOKA by TAITA」(静岡市)で開催していた同ユニットの「大贋作展」を目にし、「静岡の良いものを東京(二子玉川)から全国へ発信したい」と開催を持ち掛け実現にこぎ着けた。
展示作品はいずれも段ボールやコメ袋など身近な素材をキャンバスに再利用。ルーブル美術館が好きで「いっそのこと、ルーブル美術館になりたい」という母の藤原晶子さんの夢をかなえるために、天馬さん(小5)と心海さん(小3)が世界の名画を模写しはじめたことがきっかけという。描く作品はいずれも「親子共通の名画」だが、「その絵のことが好きであること、その絵を見たときに心が動くこと、その絵の作者に会いたいこと」という3つを基準に選ぶという。
同店全体を一つの展示スペースと見立て、作品の選定や展示位置などは子どもたちが中心となって選んだ。入り口の案内カウンター前には「お金をイメージさせる」金色に塗られた「風神」と「雷神」を置き、島田さんが「一つの見どころ」と話すピカソの「ゲルニカ」を富士山と多摩川を一望する窓から光が差し込む壁一面に掛け、その前にゆったりと鑑賞できるソファを並べた。
「彼らの作品や活動背景に触れて夢や家族、自分らしさについて考えていただければ」と島田さん。展覧会最終日の24日には、「アーブル美術館」の3人と、段ボールにキャンベル缶を模写してオリジナルバッジを作るワークショップを開催する。島田さんは「大人にもぜひ参加していただいて無心に制作してほしい」と参加を呼び掛ける。
同店の営業時間は平日=9時~19時、土曜・日曜・祝日=10時~18時。展示は24日15時まで。ワークショップ「キャンベル缶de段バッジ作り!! ~段ボールで世界でひとつだけのオリジナルバッジを作ろう!~」の開催時間は13時30分~16時。参加無料で、事前申し込みが必要。定員は15人。