世田谷区の玉川町会は11月18日、エリア内に設置されている20の掲示板を有効活用し、災害発生時に避難場所などの確認ができる「防災マップ」を掲示板の下地(ベースシート)に施した。
同町会主宰で地域の課題や活動について話し合う「二子玉川100年懇話会 街情報プロジェクト」は、2013年度より同町会内掲示板20カ所を有効活用し街情報などを「一つの紙面」で伝える「掲示板リデザインプロジェクト」を推進している。年4回の季刊で、2014年度冬号(11月24日掲示開始)で6号を数える。A1判にカラー印刷したポスターに、「住民参加につながる」イベントを中心に同プロジェクトメンバーが編集会議で決定した情報を掲載している。
6月には本年度の「世田谷区提案型協働事業 地域の掲示板 再生事業」の協働事業補助事業者選定を受けた。選定された団体は同区担当課との協働により事業を実施し、実施に当たっては中間支援NPOである「特定非営利法人まちこらぼ」が市民活動推進課と協働し、サポート・コーディネートを行う仕組み。
「二子玉川100年懇話会」は2009年の発足で「100年先の街づくりを考える場」として2カ月に1回の頻度で地域の関係団体、小学校やPTA、玉川警察署と商店街、玉川高島屋、東急電鉄などが参集して取り組む。これまでにも、新加入世帯などへ同街の歴史や地理などを掲載した「ものしりマップ」や「震災対策マップ」を作成・配布し、「ご近助広場」選定や災害時要援護者支援などを実施してきた。
今回、玉川町会防災部会の協力を得て、掲示板の下地部分の絵柄を「防災マップ」にすることで、災害発生時の住民の安全を確保する狙い。緊急時には上部に貼付されているポスターなどを剥がすとベースシートが現れ、避難所情報を確認できるほか、緊急連絡ボードとして活用できる。
同プロジェクトの取りまとめ役を担う佐藤正一さんは「掲示板は、二子玉川の街にばらばらに流れるさまざまな情報を新旧や東西の境なく収集し、英知を集めて編集・表現し『One Voice』として発信することが目的。災害発生時も同様に有効活用したい」と話す。