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世田谷美術館で「生誕1 0 0 年 写真家・濱谷浩」展 昭和の激動期に着目

展示の様子:第4 章「戦後昭和―終戦後の日本から、安保闘争をめぐる〈怒りと悲しみの記録〉まで」

展示の様子:第4 章「戦後昭和―終戦後の日本から、安保闘争をめぐる〈怒りと悲しみの記録〉まで」

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 世田谷美術館(世田谷区砧公園1、TEL 03-5777-8600)で9月19日、「生誕1 0 0 年 写真家・濱谷浩 もし写真に言葉があるとしたら」が始まった。

展示の様子・第4 章「戦後昭和・終戦後の日本から、安保闘争をめぐる〈怒りと悲しみの記録〉まで」

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 日本の現代写真史に深くその名を刻む写真家・濱谷浩(1915-1999)の生誕100年であり戦後70年の節目に開催される。15歳でカメラを手にして以来、戦前から戦後を通して活動し生涯にわたり独自の写真哲学を築いてきたその作品は、「対象に寄り添いつつも常に客観的態度に貫かれ、時に鋭いメッセージを私たちに投げ掛ける」と同展広報担当者。

 同展は、濱谷の活動前半期にあたる1930年代から60年代の仕事に注目し、全5章の構成によってその出発点から転換期までをたどる。早くから日本の風土に目を向け、民俗学的な視点から地方風俗を記録することに力を傾け、社会的な使命感を持って自らが対峙(たいじ)した「現実」を写真の力で伝えていくことに心血を注いだ濱谷浩。アジア人として初めてマグナム・フォト寄稿写真家となり、海外での評価を確立しグローバルな活動を展開した。「偶然とはいえ、さまざまな価値観で揺れる現在に、昭和の激動期の濱谷の作品200点(モノクローム)と作品発表時の掲載誌や自筆の日記などを併せて展示した。彼がいかにしてその信念と姿勢を確立していったのかゆるぎない足跡を追うことができるのは貴重な機会」(同)。

 展示構成は、第1 章「モダン東京―1930 年代・モダン都市東京の諸相」、第2 章「雪国―新潟・豪雪地帯の人々とその暮らし」、第3 章「裏日本―日本海側の風土、漁農村における生」、第4 章「戦後昭和―終戦後の日本から、安保闘争をめぐる〈怒りと悲しみの記録〉まで」、第5 章「学藝諸家―昭和を生きた文化人たちのポートレイト」。

 会期中は濱谷浩を間近に知る多田亞生さんを招き「記念講演会 濱谷浩 その人・その写真」(10月10日、14時~15時、先着150人、参加無料)を開くほか、100円ワークショップ「2015年○月○日のポートレート」を同館地下創作室で開催(11月14日までの毎週土曜日、13時~15時)。撮影した写真を使ったマグネットを制作することができる。

 開館時間は10時~18時(入場は終了の30分前まで)。月曜休館(ただし9月21日、10月12日は開館、9月24日、10月13日は休館)。入場料は、一般=1,000円、65歳以上と高校生・大学生=800円、小中学生=500円。11月15日まで。

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