静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本2)で現在、リニューアルオープン記念のシリーズ展第3弾「よみがえる仏の美」展が開催されている。
三菱グループ創業者として知られる岩崎弥太郎の弟で、2代目社長を務めた岩崎彌之助と、その息子で4代目社長を務めた岩崎小彌太が父子2代にわたり集めた美術品を収蔵・展示する同館。所蔵品は国宝7点や重要文化財84点を含む和漢の古典籍約20万冊と東洋古美術品約6500点からなる。
同館では2014年春から約1年6カ月間、空調の設備や防災・防犯、照明など施設内の設備を中心に大規模改修と展示品の修理を行い、昨年10月にリニューアルオープンした。
収蔵品をよりよい形で後世に引き継いでいくため、作品の修理事業にも力をいれているという同館では今回、修理した作品を展示するほか、修理工程についても紹介する。
本展では、運慶作かと話題の仏像「木造十二神将立像」のうち四躯をはじめ、修理後の仏画を修理後初披露すると共に、修理に使った材料や道具、工程も分かりやすく紹介する。
そのほか、印刷年代が明確な、現存する世界最古の印刷物の可能性が指摘される「百万塔」40基、江戸時代の絵師・伊藤若沖の「釈迦三尊像」の原画としても知られる伝張思恭「文殊・普賢菩薩像」なども展示する。
開館時間は10時~16時30分(入館は16時まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,000円、高校生・大学生=700円、中学生以下無料。6月5日まで。