日本最大級の子ども映画祭「キネコ国際映画祭」が11月22日から、二子玉川駅周辺で開催される。主催は一般社団法人キネコ・フィルム。
世界各国のアニメからアート系作品までさまざまなジャンルの「子どもたちに見せたい映画」を集め上映する同映画祭は、今年で26年目を迎え、昨年は延べ13万人の来場者でにぎわった。「子どもたちが映画を通じて世界の芸術文化を享受し、映画から夢や希望、幸せを育むことができる映画祭」「国内外より映画文化に携わる多くのクリエーターの育成、創造の場、国際交流の場として映画祭を提供すること」などを理念として運営している。
今年のテーマは「Join the Rhythm(リズムで遊ぼう)」。映画の映像や音楽だけではなく、「ストリートピアノ」や「キッズ・ミュージックライブ」など、会場内の至る所に音楽をちりばめ、生演奏で子どもの五感を刺激して映画祭を楽しむことができるプログラムとなっている。
キネコ史上最大規模となる今回は、作品上映、ステージイベント、ワークショップをはじめ、会場を二子玉川公園にまで広げ、水辺上映、熱気球飛行、アウトドアイベントなど親子で楽しめる多彩なプログラムを用意。二子玉川の街中を映画祭で盛り上げる。上映会場の一つである「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」は「世界一ファンタジーな映画館」としてクッションやソファなどでデコレーション。上映前に歌や踊りのパフォーマンスを入れるなど、初めて映画を見る子どもたちが、映画を楽しんで、すてきな体験ができるよう配慮した。
今年は世界的スター俳優や監督を多数輩出している映画大国イタリアの作品にフォーカス。国内外の注目作品やコンペティション作品、長編・短編合わせた44作品を上映。そのうち20作品は同映画祭独自の上映スタイル「生吹き替え(ライブ・シネマ)」で上映する。
キネコ国際映画祭広報の富塚沙羅さんは「国際映画祭にふさわしい、家族や戦争、文化を題材とした問題意識の高い素晴らしい作品をラインアップした。いずれも子どもに知ってもらいたいテーマばかりなので、家に帰って家族で話し合うきっかけになれば」話す。
今年で11回目の参加となる同映画祭ジェネラルディレクターに戸田恵子さん、プログラミングディレクターに中山秀征さん、スペシャルサポーターに高橋克典さん、横山だいすけさんが就任。アーティスティックディレクターは、毎年キネコ映画祭のイラストを手掛ける絵本作家立本倫子さん、版画家蟹江杏さんに加え、世界的に活躍するアートディレクターの森本千絵さんが今回から参加。映画祭会場の一部をプロデュースするだけではなく、「日本作品賞」の審査委員長も務める。
「オープニングセレモニー」(22日16時30分~)では、戸田さん、中山さん、高橋さん、横山さんが登壇し映画祭を華やかにスタート。世界最大級の子ども映画祭「ジッフォニ・エクスペリエンス」創設者のクラウディオ・グビトシさんも来日し、「キネコ名誉賞」の授与式も行う。
映画祭の顔となるオープニング上映(22日19時~)には、今年のアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたアンジェリーナ・ジョリーさんがプロデュースした「生きのびるために」を上映。作品を通じて、家族や生きることについて考えてほしいという。
今年から特設会場を二子玉川公園に移した「Mizbering Theater(水辺上映)」は、少年オギーと家族のワンダーな心の旅を描いた「ワンダー君は太陽」(23日)、子どもから大人まで楽しめる新しい魔女映画「メアリと魔女の花」(24日)を上映する。上映開始は両日16時。定員は400人。料金は大人=500円、子ども=200円。
初の試みであるアウトドアイベント「KINEKO Experience」では、スチールパン青空教室、木こりのまき割り体験とたき火体験、トランポリン、スラックライン体験や、毎年人気のある熱気球搭乗体験(7時30分~、16時30分~、25日は7時30分~のみ)、ミュージックライブなど親子で楽しめるプログラムを用意。
ワークショップは、版画家蟹江杏さんと会場の窓ガラスに大きな森を描く「みんなで大きな森を描こう!」(24日・25日、定員10人)が行われ、一緒に一つの絵を作り上げる体験ができる。
富塚さんは「映画の上映はもちろん、熱気球などのアウトドア体験、屋外上映も含め、一日中ご家族そろって楽しめるプログラムを用意した。街を挙げたお祭りになるので、気軽に遊びに来ていただければ」と話す。
会場は109シネマズ二子玉川、iTSCOM STUDIO & HALL二子玉川ライズ、二子玉川ライズ、二子玉川公園。上映・開催時間は日によって異なる。料金は、18歳以上=1,200円、3歳~17歳=700円。今月26日まで。