都内初のクリニック併設型「医療型特定短期入所まんまる」(世田谷区上野毛2、TEL 03-6809-8031)が10月1日にオープンした。運営は医療法人社団のびた みくりキッズくりにっく。
18歳以下の重心児、医療的ケア児の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく、クリニック併設型の同施設は、重症心身障がい児・医療的ケア児の日中ショートステイとして利用できる。
発達障がい児、重症心身障がい児、ハイリスク出産により疾患や障がいを持って生まれた子どもなど、全国で医療的ケア児が1万7000人以上と増加傾向にある一方、障がい児やその家族へのサポートが足りないという現状と、障がいや医療ケアの有無にかかわらず子どもと家族が当たり前の生活を送るための支援をしていきたいとの思いから、国立成育医療研究センター出身の同クリニックの本田真美院長、岡田悠副院長が同所の開設を決めた。
コンセプトは「全ての子どもと親に選択肢を」。クリニック併設型のメリットを生かし、医師、療育をテーマに従事してきた看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚療法士(ST)など多職種の専門スタッフが連携し、一人一人の子どもの特性に合わせて、いろいろな角度から発達の可能性や活動の提供の仕方を考慮し、リハビリ設備も活用しながら生活の自立をサポートする。同クリニック総務部長の佐藤徹さんは「集団の預かりは、同世代の子どもとの交流や刺激によって、その子どもの今後の人生を変えていくきっかけになるのでは」と話す。季節に合わせた夏祭りや音楽会などの行事も定期的に行い、障害があってもなくても、子ども同士の交流も図っていきたいという。
今後は、送迎のサービスをはじめ、経営の安定などの課題に取り組んでいきたいという。
佐藤さんは「子どもとご家族の生活の選択肢の一つになることを目指している。専門スタッフによる、ここでしかできない体験ができる場所があることを知ってほしい。今後はクラウドファンディングなどサポートの輪も広げていきたいと思っているので、ご理解とご支援をお願いできれば」と話す。
対象は18歳以下の医療ケア児・重症心身障がい児。定員は5人。利用時間は9時~18時(土曜日は17時まで)。木曜・日曜定休。