食べる

二子玉川商店街の「魚政」閉店-建物老朽化で立ち退き、50年の歴史に幕

「魚政」店主の松本夫妻

「魚政」店主の松本夫妻

  • 0

  •  

 二子玉川商店街の鮮魚店「魚政」(世田谷区玉川4)が3月30日、閉店する。

開店時に築地市場仲買から贈られた屋号

[広告]

 もともと旧二子玉川園駅東側で創業した同店は、現在の二子玉川小学校正門近くへ移転して約50年を数える老舗。同商店街が「中耕地商店会」と呼ばれ、約300戸の住宅都市整備公団「二子玉川団地」の完成により来店・来街客で大いににぎわった1960(昭和30)年代を知る。同店3代目店主の松本順一さん(61)は「夕時に次大夫橋あたりから商店街を望むと買い物客で見通しが利かなかった」と当時を振り返る。

 1980年代のバブル期以降、90年代から次第に来街者が減少したことに加え、「多くの小売店は店主の高齢化と後継者不足などの問題も抱えている」と話す松本さん。ここ最近の同商店街の振興活動の成果で、イベント時などの集客は上がったが、「普段の購買になかなかつながらない」とも。

 付近一帯の建物老朽化による立ち退きに伴い、30日19時の閉店をもって廃業する。地域の消防団員を長く務め、二子玉川小学校には親子4代で通学・卒業する「生粋のフタコ人」である松本さんは「廃業後のことはまだ決めていない」と話す。今後も二子玉川に住み続け地域に携わっていくというが、「閉店まではあと数日、ぜひ顔を見せに来店してください」とも。

 子ども連れで来店し松本夫妻と談笑していた山中さんは「身も厚く、とにかく新鮮でおいしい。魚が食べたい、という時にはここで購入していたが、閉店と聞いてとても寂しい。残念」と話していた。

 営業時間は9時~19時。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース