世田谷区・桜新町の長さ約1キロメートルにわたる駅前通り沿いの八重桜が開花し、今週末から見頃を迎えそうだ。
大正初期に関東初の宅地分譲が行われた桜新町は、現在の桜新町駅周辺から国道246号を挟んだ深沢7~8丁目一帯を、住宅や商店街、銭湯、交番などを含めた複合的な開発計画に基づいて建設された場所。開発時に植栽された千数百本の桜に加え、1977(昭和52)年に開通した東急・新玉川線(現・田園都市線)をきっかけに、桜新町駅前通りへ八重桜数百本が植樹され同街の「名物」となった。
同商店街振興組合(桜新町1)は、八重桜を植栽した理由について「桜新町で長く桜を楽しんでいただきたいという思いから」と話す。春が来るとまず南側の呑川緑道付近でソメイヨシノが咲き、その2~3週間後に駅前通りで八重桜が咲くため、短いといわれる桜の花の命が長くつながる。
同商店街振興組合では八重桜植樹をきっかけに1980(昭和55)年から「さくらまつり」を始め、今年で27回を数える。現在では毎年平均3万人ほどの人出がある。今年は4月21日の開催で、場所は桜新町駅前お花見広場。会場では11時30分~17時、焼きもちや焼きそば、かき氷、揚げギョーザ、綿菓子のほかヨーヨーやゲームなど約20の模擬店が出店する。恒例の水前寺清子さんのオンステージは14時30分ごろから。小雨決行。