世田谷区の保護者らが「川場移動教室を考えるお話会」-川場村除染問題などで

除染作業の様子・児童が宿泊する世田谷区民健康村「なかのビレジ」内(2012年4月19日)

除染作業の様子・児童が宿泊する世田谷区民健康村「なかのビレジ」内(2012年4月19日)

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 世田谷区内の保護者らが中心となり4月18日、二子玉川と成城で「川場移動教室を考えるお話会」を開催する。

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 世田谷区が毎年5月から10月に区立64校の小学5年生を対象に開く群馬県利根郡川場村での2泊3日の移動教室は、1981(昭和56)年に締結した同自治体間の縁組協定をきっかけに、「自然に親しみ、児童の相互理解と友情を深め豊かな人間性を培う」ことを目的に、授業の一環として始まった。

 同村は、2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う原発事故により同年12月、地域内の事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について重点的に調査測定をすることが必要な地域(=汚染状況重点調査地域)として環境省から指定を受けており、翌2012年度以降の同地での移動教室開催について、同区議員や保護者らから安全性の確認など見直しを求める声が上がっている。同区教育委員会事務局学務課によると、昨年度は対象児童5241人のうち不参加は138人だった(欠席児童72人を除く)。

 同区はこれらの要望と動きを受け、同移動教室で児童が活動する各所の除染作業や期間中の食事の放射性物質検査の実施などに取り組む一方、昨年6月に区議会定例会で「不参加児童についても個別に学校に来て課題を行い出席の扱いにするなど、必要な対応を行う」と回答。その上で今月10日、昨年11月に測定した利用施設などの空間線量率が平均で毎時0.15マイクロシーベルトとの結果を公表し、児童が滞在3日間で受ける外部被ばくの総線量は6マイクロシーベルト弱で「健康に影響を及ぼす量ではない」と評価し、本年度も同移動教室が「安全に実施できるものと判断した」という見解を示した。

 これに対し、2011年11月に保護者らを中心に発足した「川場移動教室を考える連絡会」は、同会がこれまでに独自に行ってきた測定や調査の結果と共に、昨年の参加者からの情報やアドバイスを持ち寄って「各保護者が自身で判断するための十分な材料を提供する場」を設けようと開催を決めた。

 同会のコーディネーターは「心配しているのは自分だけか、学校には相談してよいのかなどと一人で悩まず、みんなで話し合い、『教育としての意義や在り方』についても考えられたら。対象学年以外の方も大歓迎」と参加を呼び掛ける。現時点で二子玉川と成城(共に18日)のほかに奥沢(21日)、太子堂(27日)での開催が決定しているが、「区内の学校間で情報の共有と交流を深めたい」と話し、その他地区も要望があれば開催を検討するという。

 「お話会」の開催時間や場所、参加費、申し込みなどは同会ホームページへ。当日参加も可。

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