世田谷区は10月1日、喜多見・宇奈根地区の二子玉川駅への利便性向上のため、東急田園都市線・東急大井町線二子玉川駅から同地区を循環するコミュニティーバス(東急バス、玉05系統)の実験運行を開始した。
「コミュニティーバス」とは法的に明確に定義された概念ではなく、自治体が住民の移動手段を確保するために運行するバスサービスを指す。世田谷区では2008年度に策定した区の交通に関する施策の基本方針「交通まちづくり基本計画」に基づき、「望ましい交通体系」や交通サービスの確立を進めている。計画では、区のコミュニティーバスは、運行自体に関わる経費の補助は原則的に行われず、走行環境支援や区民・関係機関との調整、広報のみを行うとしている。
同日から来年1月31日まで実験運行路線として新設されるのは、東急バス「玉04系統」(二子玉川駅~喜多見公園(循環)~二子玉川駅)。現行の「玉05系統」(二子玉川駅~宇奈根一丁目(循環)~二子玉川駅)の一部時間帯(10時~16時)において喜多見住宅(喜多見6)付近までルートを延伸し、これに伴い発車時刻を変更する。
「世田谷区実施計画」(2012年度~2013年度)によると、同新規路線実験運行のための予算事業費は約660万円。区はバス運行業者である東急バス(目黒区)へ同実験によって生じた減収分の補てんと2つのバス停新設(「喜多見公園」「荒玉水道」)などに伴う経費を支払う。
同循環バスは、実験運行中に定時制の確保や利用者の声を調査し、実験期間後の2月以降にバス事業者と採算性の見込みについて協議した上で本格運行が決定される。