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上野毛のステーキ店「テンガロンハット」閉店へ-再開誓い40年の歴史に幕

同店外観

同店外観

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 多摩美術大学上野毛キャンパスそばのステーキ店「テンガロンハット」(世田谷区瀬田1、TEL 03-3709-0126)が2月28日、閉店する。

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 1973(昭和48)年創業の同店、現在の店主は3代目。41年の歴史のうち36年間を「2代目」が担い、現店主が受け継いで2年が過ぎた。現店主は2代目の縁戚にあたり、幼少のころから同店の味になじみがあったことから、体調不良の2代目の跡を継ぎ、金曜から日曜に営業していた。

 現在の主な客は、先代からの常連である50~60代以上が中心。「20~30代の若い年齢層の新たな客を取り込むことができずにいた」と3代目。店内には4人席のテーブルが4卓配され、「全卓へサービスの目が行き届く規模」。小さなころから慣れ親しんだ同店の細やかな「おもてなし」の精神を継承したが、ここ数年で「昔から続けてきた地域密着型の店舗運営が非常に難しくなった」と感じたという。1回の食に掛ける金額も下がり、「食文化の急激な変化を実感する日々だった」と話す。

 店の暖簾(のれん)と「地域色」を大切にしてくれる新たな継承者を探したものの出会えなかったことから、28日をもって「いったん」閉店することを決めた。閉店を知った常連客らからは惜しむ声が多く、中には入店から食事までの「記念ビデオ」を撮影する客もいたという。3代目は「ここまでつないできたことは間違いじゃなかったんだと強く感じた」といい、「上野毛の新たな場所で、継承され続けてきた秘伝の味と精神を再び提供する店を2年以内に開く」と決意した。

 21日~28日の1週間は18時から毎日営業する。週末はすでに多くの予約で埋まっているというが、「平日は夜遅くても予約いただければお店を開いて待っている。ぜひ顔を見せに来店してもらえれば」と呼び掛ける。

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