世田谷区は3月1日、「瀬田四丁目広場」(世田谷区瀬田4)として知られる「旧小坂家住宅」とその庭園について、「第3回地域風景資産」に選定したことを公表した。
「地域風景資産」は、「区民等が地域の個性や魅力を共有し、風景づくりに寄与している建築物等もしくは木竹またはこれらを含む区域で、風景づくり活動の対象になるもの」と定義され、1999年に制定された「世田谷区風景づくり条例」に基づき、「大切にしたい身近な風景を、守り育んでいく」ことを選定目的とする。同選定は区民、専門家、区職員の合計10人の選定人によって行われた。
選定の基準は「風景としての資産の価値があること」「地域の共感・共有があること」「風景づくりにつながるアイデアがあること」「コミュニティーづくりにつながる可能性があること」の4つ。選定されることで、周辺に新たな建築物が建てられる際に「地域風景資産」への配慮を促すことができるなどの意義がある。
これまで2002年、2007年に選定事業が行われており、計66カ所が選ばれた。3回目は2012年7月に推薦の募集を開始し、今年1月の公開選定会を経て3月1日、「風景づくりフォーラム2014」で公表。最終的に20カ所が選ばれた。
選定された全20カ所のうち二子玉川エリアで選定されたのは「旧小坂家別邸と崖線庭園」。同所は住宅街の中に存在し、地域では「瀬田四丁目広場」としても知られる。選定理由は「国分寺崖線上に唯一残された昭和初期の別邸建築であり、対象資産の活用に加え、二子玉川~国分寺崖線の立地特性を生かし、周辺の景観・文化的資源を含めたつながりやエコロジカルな視点によるさらなる風景づくりの広がりも期待できること」(同区都市整備部都市デザイン課)。
同広場は1999年に世田谷区指定有形文化財となり、現在は「世田谷トラストまちづくり」が公開管理を行う。また、2012年1月より地域住民が中心となり、さまざまなワークショップやイベントを開催し同広場の利活用に当たっている。
開園時間は9時30分~16時30分。入場無料。