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関東中央病院の「冬の癒やし」イルミが点灯-早世の看護師の思い今年もつなぐ

イルミネーションの様子(手前の緑色のトナカイが最初に寄付されたもの)

イルミネーションの様子(手前の緑色のトナカイが最初に寄付されたもの)

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 世田谷・上用賀の「公立学校共済組合関東中央病院」(世田谷区上用賀6、TEL 03-3429-1171)で12月2日、今年も正面玄関前の冬のイルミネーションが点灯した。

イルミネーションの全景

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 2006年から毎年、冬だけ点灯する同院正面玄関前の植え込みに施されたイルミネーション。2つの雪だるまに緑色のトナカイ1頭、青色のトナカイ3頭、電灯にはツリーを模し、周囲の木々や芝生にも電飾を施す。毎年同院利用者以外に、地域の人々にも「冬の名所」として知られている。

 同院が患者や地元の人々の「冬の心の癒やし」として行う同イルミネーションは、「病院にクリスマスのイルミネーションをしたい」と話していた同院の20代の女性看護師が病気で亡くなったことが始まり。家族や同僚らが故人の遺志を継ぐ形でイルミネーションのトナカイ1頭を寄贈し、それを耳にした同院の医師やスタッフが他のイルミネーションを追加で寄贈し、次第に装飾の規模が大きくなり現在に至った。

 2006年より同電飾を手掛けてきたのは同院主任電気技師の小林利宏さん。通常業務の間に作業を行うが「今年は天候に恵まれずほぼ1日で仕上げた」と話す。「電飾の専門家ではないので毎回試行錯誤」と明かすが、事前にデザインのスケッチなどを院内のスタッフらと相談して決めているという。

 2日に行われた点灯式には、新家眞病院長をはじめ多くの関係者や同院利用者らが立ち会い、カウントダウンとともに大きな拍手と歓声で今年の「冬の光」を迎えた。多田晋副院長は「今年のポイントは背景となる木々のゴールドの光。毎年少しずつ、工夫を凝らしてパワーアップする手作り感を楽しんでいただきたい」と話し、同院の昼の姿とは異なる冬の夜景へいざなった。

 夫と子どもの家族4人とともに点灯式を観覧していた平社(ひらこそ)さんは「明日が退院。よいお見送りを頂いた」と笑顔を見せ、「10年前のイルミネーションも拝見したことがある。だいぶ豪華になったと思ったが、そんな伝統があるのですね」と話していた。

 点灯時間は17時~22時。来年2月27日まで。

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