二子玉川のデザイン会社「グラディエ」(世田谷区玉川2)が運営する社会貢献型商品ブランド「フタコラボ(futacolab)」が4月、世田谷区民の障がい者アーティスト支援事業を始める。
「地域で創り、地域に還(かえ)す」を理念に、オリジナル商品を開発するプロジェクトとして2013年に立ち上げた同ブランド。
これまでに、区内の福祉作業所の工賃向上を目指し、地域のパティシエやデザイナーらと企画した焼き菓子「ホロホロ」を企画。きなこ、抹茶、いちご、ショコラ、ゆず、かぼちゃの6種の味と2種類のギフトボックス、パッケージに添付する世田谷福祉作業所の障がい者が製造した手すきのアートカード24種類も用意する。カードのイラストには区内在住の障がい者アーティストの作品を採用し、売り上げ金の2%を「アーティスト育成支援金」として寄付する仕組みを構築した。
今回は、同イラストを描いているアーティストの創作活動にフォーカスし、アーティストの「夢」を地域の住民や企業で応援し、夢を共有するために新事業を立ち上げた。同事業は昨年12月に「公益信託 世田谷まちづくりファンド」の「キラ星応援コミュニティ部門」の助成対象として採択され、「世田谷でまちづくりの担い手を応援するコミュニティを作る」ブランド(団体)として新たなスタートを切った。
「二子玉川が、多様性を尊ぶ地域であることの認知を進めたい」と磯村社長。第1次支援アーティストにはおがたりこさん(20)を据え、おがたさんの夢「壁一面に思い切り描く」「海外のアート展への出展」をかなえるためのさまざまなプログラム展開を図る。テレビ出演や地域のイベントでのノベルティーグッズ採用などもすでに決まっているという。
今年6月13日と14日には、二子玉川の街全体で障がい者アートを楽しむことを目的とした、複数会場の回遊型イベント「アールブリュット・アンサンブル(仮称)」を開く予定。同イベントの実現を目指し、同社では地域の企業などに協賛を募るほか、会場の提供やボランティアスタッフの募集などを進めている。
磯村さんは「2020年の東京五輪・パラリンピック開催を見据え、世田谷・二子玉川を日本が世界に誇る『障がい者アートのメッカ』にしたい」と意気込む。