地域の子どもたちの自然体験活動の場を提供する「せたがや水辺の楽校」は3月8日、都立世田谷総合高校(世田谷区岡本2)で「多摩川子どもシンポジウムin世田谷」を初開催する。
「水辺の楽校」は、1996年に国土交通省が策定した事業計画(プロジェクト)で、次世代を担う子どもたちが身近な水辺の自然空間を体験・学習の場として日常的に活用することを目指す。環境整備を国が担い、運営は国土交通省河川局長が登録を認定した市区町村教育委員会や河川管理者、市民団体等が行う。現在、全国約280カ所で各地域の特色を生かしたさまざまな活動が展開されており、23都区内では世田谷区(多摩川水系)以外に葛飾区(利根川水系)、江戸川区(荒川、利根川水系)に拠点がある。
多摩川の源流から河口までの流域を結ぶ多摩川水系の水辺のネットワークは現在、1都2県16市区町村で22校を数える。同プロジェクトの世田谷版「せたがや水辺の楽校」は、多摩川河川敷の二子玉川緑地運動場を主な活動拠点とし、2006年の発足以来今年で10年目を迎える。運営は「NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク」。「せたがや水辺の楽校」の活動へ参加する団体には「砧・多摩川あそび村」「多摩川漁業協同組合砧支部」のほかに同区立砧南小中学校や鎌田児童館など、地域のボランティア団体や施設が名を連ねる。
多摩川流域の水辺の楽校では毎年「多摩川子どもシンポジウム」を開き、同ネットワークに参加する学校や団体が集まり、子どもたちが各年度に行った自然環境保全・利活用した活動について発表している。関係者や地域へ子どもたちの活動を知ってもらい、多摩川の自然環境への理解を深める狙い。
世田谷での同シンポジウムは初開催。プログラムの内容は、世田谷総合高校・砧南小学校など近隣の子どもたちによる体験活動、世田谷区と区民協働の取り組み、とどろき、狛江など他エリアの水辺の楽校の活動発表のほか、「多摩川子どもフューチャーセッション」を予定する。
同事務局を務める、河川環境の専門家の中西修一さんは「2014年度、世田谷では喜多見児童館の子どもたちによる『宇奈根の渡し一日だけの大復活』や、地域や企業の有志による『ミズベリング二子玉川会議』の立ち上げ、『いちにち商店街in 兵庫島』など、多摩川の水辺がにぎわった1年だった。子どもたちと一緒に、未来の多摩川へ寄せる思いを共有する場にしたい」と来場を呼び掛ける。
開催時間は9時~12時30分。入場無料。