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静嘉堂文庫で古典籍と明治の美術展-刀剣、茶道具なども紹介

岩﨑彌之助(肖像写真) 小川一真撮影

岩﨑彌之助(肖像写真) 小川一真撮影

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 静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本2、TEL 03-3700-0007)で現在、企画展「受け継がれる東洋の至宝Part2 岩崎彌之助のまなざし-古典籍と明治の美術」(崎は「大」の部分が「立」)が開催されている。

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 静嘉堂文庫創設120周年・美術館開館20周年を記念して企画された特別展の第2弾となる同展。静嘉堂文庫の創設者であり三菱第2代社長を務めた岩崎彌之助氏は、創業者である岩崎彌太郎の16歳年下の弟で、鉱山・炭鉱業への進出、長崎造船所や丸の内の取得など、三菱の事業を多角的に展開した人物。同展では、同氏が収集した古典籍のほか、明治の美術品や同氏が生涯に携わった「趣味」から、刀剣、茶道具、書画などを展示する。

 静嘉堂文庫は、同氏が漢学や歴史学を学んだ師である重野安繹(やすつぐ)の国史編さんを援助するために、神田駿河台東紅梅町の屋敷の傍らに文庫を作ったのが始まり。蔵書を散逸させないよう一括して購入するのが特徴で、旧蔵者の蔵書の全体像を把握することができるという。購入蔵書には、清朝末期の四大蔵書家の一人である陸心源の旧蔵書約4万4000冊もあり、同展では、中国古代の周の国の官制について記した本「周礼(しゅらい)」のほか、室町時代を代表する歌人、東福寺僧正徹(しょうてつ)により1431年(永享3年)に書写され、現存する伝本の中で書写年代が明らかな最古の写本として知られる「つれつれ種(くさ)」(徒然草)などを展示する。

 同氏は、自ら建築や庭園造りにも注力する。「彌之助は、外遊の折に各地の名だたる建築を見て回り邸宅造りの参考とし、庭園については自ら職人たちを指揮してその造営にあたった」と山田さん。竣工当時の岩崎家深川別邸(旧・清澄園、現・東京都立清澄庭園)洋館の50分の1スケールの模型も展示する。同氏が建設した邸宅のうち代表的なもので、設計は英国人建築家のジョサイア・コンドルが担当した。同世代の作家もよく援助し、第4回内国勧業博覧会に向けて制作援助した橋本雅邦の「龍虎図屏風(びょうぶ)」なども併せて展示する。

 開館時間は10時~16時30分(入場は16時まで)。月曜休館。入場料は、一般=800円、高校生・大学生=500円、中学生以下無料。同館司書による列品解説も行う(11月15日=14時~)。11月25日まで。

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