世田谷乗馬倶楽部のポニーが出奔-環八横断、砧公園で遊牧中に発見

月子(左)と担当者の蓮見さん、りんご(右)

月子(左)と担当者の蓮見さん、りんご(右)

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 首都高速道路用賀出入り口近くのビルに馬房を置く「世田谷乗馬倶楽部」(世田谷区上用賀5)のポニー・月子が1月29日、単身出奔し、約20分後に環八道路を挟んで向かい側の砧公園東側のアスレチック広場で遊牧中のところを発見され、捕獲された。

「出奔」した月子(左)

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 同乗馬倶楽部を運営するのは建築会社「東京組」(用賀4)で、同社の中野渡利八郎会長が「自然の少ない世田谷で動物に触れ合う機会を」と社会貢献活動の一環として2009年に創設。馬房を用賀に、馬場を同区鎌田3丁目に置き、2011年より週に3回、女性と子どもを中心とした一般向けの乗馬レッスンなどを開講している。中野渡会長は青森県十和田市出身で、兄の利彦さんが会長を務める馬の動物園「十和田乗馬倶楽部」と提携し協力を得て、地域間交流を兼ねたさまざまなイベントも行ってきた。

 同倶楽部には現在、月子(メス・7歳)とりんご(オス・12歳)のポニー2頭がいる。ポニーとは肩までの高さ(体高)が147センチメートル以下の比較的小柄な馬の総称で、2頭とも利彦さんが「ハフリンガー」種と「道産子」種を掛け合わせ誕生させた。2頭は乗馬レッスンのない日には近隣の公園や多摩川河川敷を散歩したり、都内各地のイベントなどへ参加したりして過ごすという。

 今回、単身で出奔したのは月子。責任者の蓮見みなみさんによると「マイペースで頑固」という性格のりんごに対し「臆病で賢く、人懐っこい」月子が29日10時ごろ、りんごとスタッフが散歩に出掛け馬房で留守番中、馬房の出入り口をふさぐ「馬栓(ません)棒」の横木と綱を自力で外し通りに出た。月子は約20分後に環八道路を挟んで向かい側の砧公園東側のアスレチック広場で遊牧中のところを発見されたが、月子が環八通りに架かる「砧パークブリッジ」を渡ったか、環八道路上を横断したかは不明だという。警察も出動し、一時月子を遠巻きに人だかりができた。月子を発見した人たちは「最初は大きな犬かと思った」と話していた。

 人や馬、対物への被害は生じていないため、今のところ同倶楽部へ大きなクレームは入っておらず、むしろ、生後半年からの小さな子どもたちの騎乗を長年行ってきた月子の普段の温厚な性格を知る同倶楽部のレッスンリピーターらから、月子の安否を気遣う問い合わせが多く入っており、「本当にありがたい気持ちでいっぱい」と蓮見さん。

 今後の「出奔防止策」として、馬栓棒を二重にし開閉部には鉄の鎖を付けたほか、留守番中は馬房のドアを閉めることに。同倶楽部では騒動のあった当日にサイトで「今後このようなことがないよう、スタッフに再教育を徹底するとともに各自、細心の注意を払います」と謝罪を発表している。

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