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桜新町の和喫茶「紫光庵」が10周年-「会いに行けるアイドル猫」がつなぐ縁

店主の森本美奈子さんと「看板猫のみなみ(通称みーちゃん)」

店主の森本美奈子さんと「看板猫のみなみ(通称みーちゃん)」

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 桜新町商店街のサザエさん通りにある和風喫茶店「紫光庵」(世田谷区桜新町1、TEL 03-3703-7451)は12月24日、10周年を迎える。

「みーちゃん」をモチーフにした「みけねこもなか」(抹茶付き、800円)

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 同店は倉敷市出身の店主・森下美奈子さんが営む和風喫茶で、「看板猫のみなみ(通称みーちゃん、8歳、メス)」が店内で「おもてなし」をすることでも知られている。

 岡山で12年間高校教師を務める傍ら、茶道をたしなみ和装や和菓子作りが好きだったという森下さん。唐突に「小京都・倉敷と桜」をテーマにした「気軽にお抹茶を楽しめる和喫茶」を開きたいと思い立ち、その「ひらめき」を信じ、教師を辞めて2004年5月に上京した。

 同店のテーマの一つである「桜」の文字が入っており、「地域の方が集まり、たくさんの人が行き交う街の雰囲気」の桜新町が気に入り出店場所に選んだ。これまでに保坂展人世田谷区長を招いた「ツイッターオフ会-桜新町で語りましょう」(2012年)を企画したり、店内で子育てサロン「こどもとわたし」(2012年~)を開催したりと「地域の交流」の機会と場を提供してきた。

 開店から1年半ほどがたった2006年6月、森下さんはみーちゃんと出会う。店の前で弱っていたみーちゃんを保護したことが始まり。動物を飼った経験がなかった森下さんだが「出会った瞬間、『この子とお店をやっていくんだ』と何か不思議なものを感じた」と明かす。回復後の同月24日からは「客席係」として同店に仲間入りし、森下さんが淡三毛猫のみーちゃんをイメージして作った看板メニュー「みけねこもなか」(抹茶付き、800円)を「お客さまに説明する」ことを仕事として日々励んでいる。

 「看板猫のいる店」としてテレビや雑誌などが取り上げるようになると、みーちゃんは「桜新町の会いに行けるアイドル猫」として一躍「人気者」に。近隣の長谷川町子美術館からは「紫光庵といえば猫、猫といえばタマ」と、サザエさん一家のペットであるタマのパネルやセル画などが贈られ、館内でも「みーちゃんとお茶をどうぞ」と紹介されていることから、美術館帰りの客も多く訪れる。

 「地域の方はもちろん、北海道や沖縄など遠方からもみーちゃんに会いに来てくださるお客さまもいて、みーちゃんがご縁をつないでくれているのだとうれしく思う」と笑顔を見せる森下さん。同店の常連という、桜新町在住の渕上さんは「お抹茶が飲める店が身近にあるのはうれしい。店主の人柄がうかがえるアットホームな雰囲気も気に入っている」と話す。

 森下さんは「10年間はあっという間だった。これまで地域の方々やお客さまに支えられ育てていただいたことに感謝している。これからも『和み』をお届けしていけるよう、みーちゃんとふたりで頑張っていきたい」と意気込む。

 営業時間は12時~19時。月曜定休(祝日の場合営業、翌日休み)。12月24日~1月23日の間、来店した希望客に10周年を記念した「みーちゃんポストカード」を進呈する。

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