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二子玉川の水辺で「どんど焼き」-主催自治会、「熱い思い」継続へ協力願う

どんど焼きの様子(二子玉川緑地運動場、1月18日11時)

どんど焼きの様子(二子玉川緑地運動場、1月18日11時)

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 今年で26回目を迎えた地域の伝統行事「どんど焼き」が1月18日、多摩川河川敷の「二子玉川緑地運動場」(世田谷区鎌田1)で行われた。

土手から見た当日会場の様子(18日11時半頃)

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 正月のしめ飾りや門松、書き初めなどを持ち寄って燃やし、新年の厄払いを祈る日本の伝統行事「どんど焼き」。二子玉川の多摩川河川敷では1989年から毎年、竹の櫓(やぐら)の組み立てから「お焚(た)き上げ」までを同区鎌田1~2丁目、3丁目(一部)と宇奈根1丁目(一部)の住民らで構成される自治会「鎌田南睦(みなみむつみ)会」が行っている。

 1週間前の11日に32歳から82歳・平均年齢60歳の同会メンバーの男性15人で組み立てた高さ約10メートルの櫓は、今年4月に開業を迎える大規模な再開発事業による高層ビル群を正面とし、雲一つない青空に雪冠の富士山と大山連山を借景にそびえ立った。土手の上には「絶好のどんど焼き日和」と、たくさんのカメラマンの姿が見られた。例年の人出は1500人とされているが「今年はもっと多いのではないか」と同会関係者。

 点火前の式典には地域関係者のほか同区議員らと、同イベント初参加の保坂展人区長の姿も。同会の脇克仁副会長は、正月のしめ飾りなどがゴミ集積所へ捨てられていたことを「見るに忍びない」と地域の人々が感じたことが同イベント開催のきっかけと明かし、「こういう行事は熱い思いを傾ける『アホ』がいなければ続かない。これからも地域からのたくさんの協力をいただきながら継続して開催したい」と話した。

 点火は11時。地元の消防団員らが見守る中、無風の河川敷で火が真っすぐ上方に立ち上った。30分ほどして櫓が燃え落ちたころから、甘酒と餅が無料で振る舞われた。地元企業からの協賛により、「子ども優先」で配られる餅を求めて会場をぐるりと取り囲むように待ち列ができていた。

 会場隣の「せたがや水辺の楽校はらっぱ」で同時開催された世田谷区自然体験遊び場事業の「きぬたまあそび村」による「手作り凧(たこ)」コーナーも盛況で、150個用意した凧も「あっという間に無くなってしまった」という。

 今年は、立教大学観光学部交流文化学科の葛野浩昭教授のゼミ生7人が「都市近郊におけるコミュニティー組織に関する研究」のために、「一自治組織によって開催されている伝統行事(どんど焼き)の珍しいケース」の社会調査として櫓づくりのための茅(かや)刈りや婦人部による炊き出しなどに参加するという新しい展開も見られた。

 火は14時過ぎに完全に消され、ショベルカーを使って穴に埋め立て整地が完了したのを見届けた後、同会メンバーらは「鎌田南睦会会館」に集合。無事の開催を互いにねぎらった。伝統をつなぐことへの「熱い思い」を再確認した後に散会した。

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