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世田谷美術館でボストン美術館展-修復後初「ラ・ジャポネーズ」ほか150点

展示の様子:クロード・モネ『ラ・ジャポネーズ』(着物をまとうカミーユ・モネ、1876年)

展示の様子:クロード・モネ『ラ・ジャポネーズ』(着物をまとうカミーユ・モネ、1876年)

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 世田谷美術館(世田谷区砧公園1、TEL 03-5777-8600)で6月28日、「ボストン美術館-華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美」が始まる。

展覧会入り口の様子(内覧会、27日17時)

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 同展は、1850年代の日本開国と通商開始によって欧米にもたらされた、浮世絵をはじめとする日本の陶磁器、金工品、絹織物などの工芸品、屏風(びょうぶ)、扇子などの美術品に見られる作品の構図や色使いと独特の装飾模様が、西洋近代美術の印象派とそれに続く世代の画家や芸術家たちの美意識に根本的な変革をもたらした「ジャポニスム」という現象に焦点を当てる。ボストン美術館収蔵の絵画、版画、素描、写真、工芸など幅広いジャンルから約150点を厳選して一堂に紹介する。

 1876(明治9)年開館のボストン美術館は、来館者数が年に100万人を超える世界有数の美術館で、古代から現代まで45万点以上のコレクションを誇る。中でも印象派と東洋美術の豊かなコレクションで知られており、かつて同館の中国・日本美術コレクションの責任者を美術評論家の岡倉天心が務めたという意味でも「日本と浅からぬ関係」(世田谷美術館学芸員 遠藤望さん)がある。一方で、世田谷美術館は1990年に「青い目の浮世絵師たち:アメリカのジャポニスム展」、1992年に「JAPANと英吉利西(イギリス)」展を開催しており、アメリカ・イギリス発のジャポニスムに早くから注目し取り上げていることから開催の運びとなった。

 同展はボストン美術館のアメリカ国内巡回展「Looking East: Western Artists and the Allure of Japan」を基盤とし、作品を多少入れ替えて日本国内を巡回する(京都市美術館=9月30日~、名古屋ボストン美術館=来年1月2日~)。

 「日本趣味満載の大作、モネの『ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)』が見どころ」と遠藤さん。同作の来日は約20年ぶりで、同館には初お目見え。額装すると高さ3メートルにもなる大作で、絢爛(けんらん)豪華な赤綸子(りんず)に武者が配された打ち掛けにモネが触発されて描いたものという。同作は昨年2月からおよそ1年をかけて修復されたばかりで、同展で世界初公開。修復中にX線により明らかになった構図の変遷の判明など、多くの関心を集める。

 ほかに、モネの「睡蓮」やジョン・スローン「春の花」、歌川国貞「勧進大相撲興行之図」、ルノワール「帽子のピン留め」など「名品」が勢ぞろいする。

 モネの同作品の修復を手掛けたボストン美術館のアイリーン・コネファルさんによる「『ラ・ジャポネーズ』修復物語」(28日、14時~)などの記念講演、「ラ・ジャポネーズでハイ!ポーズ」(8月毎週金曜、13時~)など、さまざまな関連イベントも予定。音声ガイドを俳優の長谷川博巳さんが担当し、同展を盛り上げる。

 開館時間は10時~18時(入場は30分前まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,500円、65歳以上=1,200円、高校生・大学生=900円、小中学生=500円。9月15日まで。

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